ラ・ラ・ランドからローマの休日まで。本当に美しい映画はただの夢物語に終わらない
2017年。ラ・ラ・ランド
アカデミー賞で何かと話題の『LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)』。
やっとこさ、今日映画館で見ることができました。
映画冒頭から大迫力のミュージカル。その後も歌が始まるごとに、鳥肌が立っていたことを覚えています。
映画の中で感動ポイントがあちこちに散りばめられているから、見た人によって心に残るシーンや印象は異なるのだと思うけれど。
私個人が思う、ララランドの魅力は5つあります。
① 心揺さぶるミュージカル音楽、ジャズサウンド
これは言うまでもなく、ミュージカル映画としての、ラ・ラ・ランドの大きな魅力ではないでしょうか。
主演のエマ・ストーン、ライアン・ゴズリングを始めとするキャストの一体感、心地よいサウンドが観るものを一気に引き寄せます。
映画を見終わってから1日でサントラを20回くらいリピートする勢いでドはまりしました。
② ノスタルジックな情景描写
「古き良き」を愛するセブ(ライアン・ゴズリング)の所持品であるレトロな車やレコード。
華やかな色合いのドレスに身を包む女性たち。
たぶん西洋的な懐かしさが詰まった描写に、私は子どもの頃に思い描くディズニーランド並のキラキラ感を覚えたのでした。
③ 「夢」をテーマにした現実的な物語
大きな夢を追う2人の歩みを端的に追っていくストーリー展開。この映画の肝は、夢が叶う部分とそうでない部分がきちんと用意されているところ。
パーフェクトな夢物語で終わっておらず、現実的な着地点があったのが良かった。基本、映画に完ぺきなハッピーエンドを求めてしまう自分としては少し驚いたのと同時に、いい意味で心惹かれるエンディングになったのだろうと思います。
④ 巧妙なデジャヴ
映画の中では、「あれ、このシーンさっきもあったような……」という感覚を持つ場面がいくつかありました。ミア(エマ・ストーン)、セブ(ライアン・ゴズリング)それぞれの視点を入れ替わりで見せていく中で、ある交差ポイントが見えてくる。そこに気づいたとき、ラ・ラ・ランドの面白さにまた魅了されていくのでした。
また、映画内ではハリウッド映画全盛期である1950年代、60年代の有名映画作品のオマージュが隠されているそう。
この記事にも書かれているように、ラ・ラ・ランドを見た後に昔の作品を観るとまた新たな発見と感動がありそうです。
もう一回観に行く前に、数作品チェックしてから行こうかな。
⑤ エンディング前で見せる期待の幻
これは③に繋がるところなのですが、 映画では現実に着地する前に一回、主人公たちそして観ている私たちが期待したであろう"完ぺきな物語"を見せてくれます。
そこの見せ方が本当に素敵でした。やっぱり切なさもあるのだけれど。
1954年。ローマの休日
今から半世紀以上前、オードリーヘップバーンが主演を努めその名を歴史に残すこととなった名映画『ローマの休日』。
簡潔に説明すると、王族の女王アン(オードリーヘップバーン)がお城を出て街に繰り出し、新聞記者のジョー(グレゴリー・ペック)と恋に落ちる物語です。
ミュージカル映画でもないし、ストーリーもラ・ラ・ランドとは全く違うのですが、見た後の感触が自分の中で似ているように感じました。
それはきっと、同じ「懐かしさ」と完全に思い通りにはいかないけれど美しいエンディング。もしかしたら同じ感想は抱けないかもしれないけど、名作中の名作なので見ていない人はぜひ見て欲しいです。
そういえば、エマ・ストーンが『ラ・ラ・ランド』で一躍時の人になった姿は、『ローマの休日』が産んだ名女優オードリーヘップバーンに重ね合わせちゃうような……
本当に2人とも、美しいです。